Solidworksで3Dモデルの強度を数値で知る

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3Dモデルで設計した部品が「十分な強度を持っているのか?」という疑問は、設計者であれば自然に思うことではないでしょうか?
「部品強度」を数値で表す方法として有限要素法による「静応力解析」は有名ですが、部品一つ一つをその都度「解析」することは、有限時間においては現実的とは言えません。

ではもっと簡単に知るすべはないのでしょうか?

材料である角材や丸パイプなどは「たわみ」によって変形します。この「たわみ」を発生させているのは、力の向きを持つ「モーメント」です。

そしてこの「たわみ」によって発生した「応力」の値が、降伏点に達していなければ、その材料は元の状態に戻ろうとします。

これは「コイルばね」の片方を固定して引っ張る際、ある程度の力で引っ張ると(降伏点に達していなければ)その「コイルばね」は元の状態に戻ることができますが、応力が降伏点を超えてしまうと「プチン」とちぎれて破壊してしまうイメージに似ています。

つまりF=kxのフックの法則を用いれば、ばね定数kを求めることで、その材料のヤング率が求まります。
そして部品形状を(四面体などの要素で)微分し、力Fよって生じた変位を積分することで応力を求めるというものが、静応力解析の原理というわけです。(だから計算誤差には注意が必要なのですが)

さて話は角材や丸パイプに戻りますが、「たわみ」やすさは断面2次モーメント(IxやIy)を求めることで、その形状の部品の曲がりやすさがわかり、断面係数を求めることで曲げに対する強さを数値で知ることができます。曲がりにくい形状は断面2次モーメントの値が大きくなります。

この断面2次モーメントを重心を通る中心軸までの距離で割ると、断面係数(ZxやZy)が求まり、発生するモーメントMを断面係数Zで割ると応力σが求まります(σ=M/Z)。

厄介なことは、断面2次モーメントは「合成」することができるのですが、断面係数はできません。「合成」の例としては、鉄の角パイプの強度を上げる場合などに、別の角材を溶接する場合です。

逆に言えば、この合成された断面2次モーメントが求まれば、その材料の曲げ強度が数値でわかるということになります。

断面2次モーメントを、その断面の端面から重心を通る中心軸までの距離で割ると、断面係数が求まるわけですから、断面だけで考えれば2D(2次元)CADでも展開できそうなのですが...。

2次元CADと3次元CADの圧倒的なパフォーマンスの違いは、たとえ断面であっても、私の知る限り2次元CADは線の集まりでして、Solidwroksなどの3次元CADはSolid形状と言うことです。

具体的に言うと、断面の4コーナーのR形状は2次元CADでは全て力技で自ら描きなおして、面積測定して断面2次モーメントを求めますが、3次元CADは4コーナーのRを一つのフィレットで描けば、そのフィレットの形状変更のみでSolidモデルが描き変わるのです。

更に、角パイプの厚みを変えたい場合など、手修正では無駄な手間ばかりが増えてしまうのです。

尚、断面2次モーメントという名前の通り、断面形状での曲げに対する特性を知る上では、モデリング時の厚みは適当です。しかしながら、実際のモデルで解析を行う場合は、この断面形状の部品長さ、支点、力点の位置によってモーメントの大きさが変化しますので、当然長さ(オフセット)は大きく影響します。

Solidworksにおける断面2次モーメントの数値の確認方法については、百聞は一見にしかずですので、一度下記をご覧ください。


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